めまいの患者さんなかなか立派な見識でした。
どうされましたか・・?めまいですと明確に答えた。どんな感じですかと聞き直すと、フラフラする・動悸がする・気持ち悪い・・・といくつかの苦痛が・・・・。
説明に用いるたるに作成していたチャートを見てもらいながら、めまいの原因・メニエール先生の所見・生じやすい症状を説明すると、そうです、そうですと軽く会釈する。そして自律神経失調では無いですよね・・と聞いてきた。自律神経に失調はありません。自律神経は体の中のセンサーに応じて働いていますから、自律神経が勝手に異常な働きをすることはあり得ません。私は内耳の炎症が直接的な原因と考えます、と伝えた。
反応点治療の概要、そして皮膚と深部との関わりなどを説明し、耳石器周辺や半規管の炎症が推察されますから、チェックして治療にかかりましょうと伝えて、ベッドへ誘導した。30代の女性だけに、腹部の診察に若干の抵抗感があるように見受けられたが、全身のチェックはコンデイションや内耳の回復力の増強に必要なことを伝えた。
当院は、6:30 で終了することもあって、土曜日しか来院できないようだった。彼女は来週の土曜日に予約した。
火曜日頃までは調子良かったが、またぶり返した・・・としょんぼりとした感じだった。
のど・鼻・耳の反応点は結構すごい。少し時間をかけて内耳・鼻・喉の治療を優先させた。ベッド上でうつ伏せになってもらった時も苦痛は感じないようだった。肩こりを中心に治療して終了した。
めまいでは、脳の障害や自律神経との関わりを推察する例が少なく無い。しかし、内耳の機能を簡単に・正確に測定する方法は知られていない。それは、脳血管障害などが見つかったとしても、内耳機能が正常だとは判断できないことを意味する。むしろ、脳の血管障害と内耳炎が同時に生じた可能性もあるだろう。内耳の簡便な観察法が開発されない限り解決されないのだろうか・・。
自律神経機能がめまいを誘発することは無いと考えている。むしろ、前提からの情報は延髄に下がって自律神経にリンクするのだろう。あるいは、感覚野の複数箇所に伝えられるが、ここから精神的な影響して自律神経の興奮を促すのだろう・・。脳内の情報伝導が詳細になっていない・・・。
患者さんの訴えが中心で、検査をしても明確にならない病気は少なくない。いや、むしろそんな病気だから鍼灸に救いを求めるのだろう。彼らにお応えするには、きちっとした理論のもとに手当をすることが求められる。