パーキンソン病・パーキンソニズム
2020年01月27日、掲載
パーキンソン病とは
パーキンソン病は黒質など大脳基底核群の変性に、パーキンソン病遺伝子の関与が知られています。
パーキンソン病などの症状は、四肢の振せん・体が固まって動きにくい(固縮)・仮面様顔貌(無動)などの運動障害です。また精神や自律神経症状が見られると言われています。
※パーキンソン遺伝子
その遺伝子は生まれながらに誰もが持っています。パーキンソン病は黒質や大脳基底核周辺において、パーキンソン遺伝子による自己破壊を生じて発症します。
神経と神経のジョイントをシナプスと呼びますが、ここでは伝達情報と神経成長因子が物々交換されます。反対に使用されないシナプスは不要な接続と認識され剥離し、やがて自己破壊されると考えられています。ちょうど運動をしないと筋肉がやせるように、自己破壊が起こります。その自己破壊にパーキンソン遺伝子が関与します。
パーキンソン病を推察する(仮説)
(平衡失調がパーキンソン病の発症に関与する、医道の日本2005.745)
パーキンソン病患者さんの協力のもと下記の実験をしてみました。
パーキンソン病患者さんの平衡感覚テストをすると平衡障害(前庭眼反射・前庭脊髄路反射)が観察されました。
内耳の反応点を施術しながら、上記の反射を観察すると3ヶ月程度の間に運動障害は目立たなくなり、平衡機能検査も正常に復しました。したがってパーキンソン病の運動障害に平衡感覚が関わっていることが分かります。
パーキンソン病患者さんらは、前庭を目的とした鍼灸術がパーキンソン病の症状(四肢の振せん・仮面様顔貌・不眠など)を改善したのです。(むろん脳の変性は改善されません)
自律神経症状と精神症状
あたかも突然に、自律神経の特異的な興奮に驚きや不安を感じますが、自律神経失調症と呼びます。しかし、自律神経は理由なくして勝手に活動することはありません。多くは皮膚や目鼻、耳など感覚器からの情報に反応して活動します。パーキンソニズムの自律神経症状においても、感覚器(内耳)が関わっていると考えられます。
iPS 細胞で症状が改善
最近、iPS 細胞で作成した神経幹細胞を実験動物に注入すると、パーキンソンモデルの動物の動作が改善されたというニュースがありました。新しく神経が働いて機能が改善したのでしょう。ただ、問題は細胞が壊された原因が不明なままですから、定着した神経が再び壊死する可能性も考えられます。
反応点治療では
平衡感覚(前庭機能 )の改善を目的にして内耳点を、大脳基底核周辺の血流改善を目的に頭頂部を施術します。