緑内障の病態について
2020年01月05日、掲載
二つの緑内障
正常眼圧緑内障と高眼圧緑内障
日本では緑内障の方の72%が正常眼圧緑内障だと言われています。イギリスの調査においても正常眼圧緑内障が(下記参照) 多いようです。このことから眼圧以外に危険因子がある可能性が高いことです。
英国のEPIC-Netfolkコホートから抽出(約8千人)による、眼圧と緑内障有病率を検証したちころ、眼圧測定による緑内障診断の制度化低いことを発表された。
高眼圧有病者の中で緑内障者は10 % とは眼圧と緑内障との関連は密接でないことを意味している。日本でも正常眼圧緑内障が 圧倒的に多いと言われています。通常、眼圧と呼んでいるのは前房水圧(眼球表面圧)です。構造か羅鑑みて視神経乳頭に大きく影響するのはガラス体圧(後眼圧) だと思われます。
眼球周辺の鍼刺激で、角膜などの血流量が増加することが知られていますが、しいては眼球内の循環の改善にも役立つと考えます。ガラス体内の漿液が還流を促されることは、眼底の圧迫を抑制する可能性が考えられます。
眼圧と視神経乳頭の陥凹について組織的に見てみよう。
視野狭窄は、眼球の内圧が高くなると最も脆弱な乳頭部が圧力に負けて陥凹すると考えられています。
- 乳頭の陥凹は、そこを通過する神経を圧迫します。
- 通常は神経線維の周囲は漿液に満たされていますが、漿液は枯渇します。
- 神経は情報を伝える時に電気的現象で伝えますから、漿液の枯渇はNaイオンが途切れて視覚情報を伝えることができません。
また長い間、使われなかった神経線維は壊死しますから、再び視野が回復する可能性は極めて難しいと考えられます。
今、確保できる視野を確実に・安全に確保するために頑張りましょう。
眼圧の測定とは・・・
眼球内の漿液は毛様体筋周辺から染み出てきます。それが眼球の表面へ流れていくルート(前房水=眼圧)と、ガラス体内を通過して網膜へ吸収されていくルート(後房水)が知られています。両者の間に水晶体があり、房水は2つに分離されたような形態をしています。前房水の圧力を眼圧と言いますが、眼底圧を意味していません。
そこで、眼圧と視神経乳頭の陥凹について推察します。
残念ながら後房水圧を測定する方法は知られていませんが、前房水と後防水の圧力が同じであるならば、正常眼圧緑内障は考えにくいですね。私は、緑内障に網膜の漿液の透過性・静脈やリンパ管の還流率・ガラス体内の漿液の還流に関連していると考えています。
正常眼圧緑内障に対する治療法は明確でないのが現状です。最終的に視力を無くしてしまう方もいる。患者さんにとっては、やりきれない思いだろう。
- 視神経乳頭が陥没して視神経が圧迫を受けると神経麻痺を起こす。眼球の情報は脳に届かない (圧迫が強い部分の神経障害)。
- 網膜の環境が害されて光の受容体が障害されるなどの原因が推察される。どちらも眼球の循環障害が関連していると推察されます。眼球内は漿液が循環しているから、リンパ(漿液)流がテーマになるのか・・・と考えている。
- 反応点治療研究会では(鍼灸)、眼球の反応点が回復するまで施術します。