反応点治療 : 疾病が皮膚にシグナルを届ける
2020年01月07日、掲載
- 深部の疾病などが皮膚に影響した範囲を”反応点”と呼ぶことにしました。
- 皮膚の変化を指標にする信頼性の高い鍼灸施術を開発しました。
- 古来より伝えられたツボや経穴と異なり、神経科学的な根拠に基づいた治療法です。
反応点治療の特色
- 観察と施術が結び付いています。
反応点を検出して、そこに施術します。それが解消されると、つらさも解消されます。患者さんにも分かりやすい治療です。自律神経を介して体の守りを強化します。 - 予防医学としても利用できます。
つらさはもとより自覚できない疾病まで施術します。免疫細胞の活性を高めて、疾病を予防します。 - 一人ひとりの特色に合わせて鍼灸施術を組立てます。
反応点はその人、その時の障害や病状に応じて異なります。その時の状況に合わせて施述します。 - 施術では問題点を指摘し、説明通りの施術をします。
説明と治療がセットになった治療です。 - 肩こりや腰痛などの痛み、緑内障・耳鳴・めまい・頻尿・自律神経失調・更年期障害などに効果的です。
- 反応点は自律神経反射の一つです。
医療が対応しにくい疾病にも施術効果が期待できます。 - 反応点治療を学んだ鍼灸師の所見は一致します。
反応点は、こうして生まれる
体の中に疾病などが自律神経に働きかけ、細胞環境を整えようとします。
その自律神経(交感神経)活動は皮膚に影響して”反応点”を生じます。
–皮膚は深部の疾病を物語るのです。
内臓器官の不具合は、小さな痛み信号を脊髄に届けます。
脊髄では交感神経細胞に連絡して、連絡している皮膚の環境に影響します。
周囲と異なる皮膚領域が生まれますが、鍼灸施術では指先で感知します。
いわば、職人の手のように、洗練された指先感覚で反応点を検出します。
反応点治療の概要
観察では、指先で皮膚に触れて交感神経の過敏な活動を把握して治療します。
反応点の刺激は血液循環・リンパ循環・免疫細胞の増強などを促し、疾病を回復へと導きます。
そして疾病が回復すると皮膚交感神経活動も平常に戻り、反応点は消失します。
内臓などの治療
- 反応点の施術は、主に皮下に水平刺(皮膚に浅く刺入)する「体に優しい」施術です。
- 皮膚は鍼灸刺激を受止める神経線維が、どこよりも密に分布しています。
小さな刺激でより大きなインパクトが得られます。 - その刺激は脊髄を経て内臓の自律神経に影響しますから、内臓など深部の治療に適しています。
- 内臓の環境が整うと反応点は消失します。
- 内臓器官の働きは皮膚にも伝えられているのです。
筋肉の治療
筋肉の障害も皮膚の交感神経に影響しますから、反応点の深部に筋肉の障害が存在します。
自原抑制による筋肉の弛緩を促します。
※自原抑制(逆転伸張反射)とは
筋膜を揺すぶるような鍼刺激は筋線維をふるわせます。
すると筋に付着する腱が伸ばされ、腱紡錘が興奮します。
そして、脊髄で筋肉の興奮を抑制して弛緩させます(自原抑制)。
この筋肉の弛緩は筋膜の歪みを解消させて痛みを取り除きます。
隠れた筋肉痛の原因
内臓などの不調は内臓求心神経によって脊髄に伝えられます。
そのシグナルは運動神経に伝えられ、筋肉の緊張を招きます。
あたかも、筋肉が勝手に硬くなって痛みを生じたように感じます。
実は、痛みの陰に、内臓器官の疾病状態(病名がつかない小さな疾病状態) が存在します。
内臓を治療して、次に筋肉をも治療する反応点治療の適性がわかります。
反応点治療研究会
私どもは、交感神経反射が影響した皮膚の範囲を「反応点」と呼び、診察と治療に用います。反応点治療をする鍼灸院は、神戸市や岐阜を中心に会員が増加しています。
(反応点治療を専門にしている鍼灸師のグループです)
http://www.hannoten.com/
勉強会のご案内
http://www.hannoten.com/seminar
著書
反応点治療の実際、医道の日本誌、740;64-68,2005.
反応点治療、 医道の日本社、2005.
反応点治療の実際2、医道の日本誌、741;56-60,2005.
ツボ刺激による自己ケア、遠見書房、2012.